礼文島にだけに咲く「レブンアツモリソウ」の世界
礼文島は、利尻礼文サロベツ国立公園の中の小さな離島。
でもここに咲く沢山の高山植物は、訪れる人々を魅了し続け、別名”花の浮島”と呼ばれています。
その中でもこの島にだけ咲く「レブンアツモリソウ」は可憐で美しい!花言葉は「君を忘れない」そして「気まぐれ」
人々を魅了し続ける「レブンアツモリソウ」にまつわる取り組みをご紹介をします!
レブンアツモリソウの魅力とは?
本州各地で見られるアツモリソウの花の色はあずき色や赤紫などですが、「レブンアツモリソウ」は薄いクリーム色や白。
開花時期は場所によって違いはあっても早春の5月下旬~6月中旬までですが、何よりその大きい袋状のフォルムが多くの方の心を虜にしていて、花言葉の「君を忘れない」そのものです。
さて、この花のもう一つの花言葉の一つは「気まぐれ」。その言葉どおりアツモリソウ群生地では、去年咲いていた場所に今年は咲かなかったりと、咲き方は正に気まぐれそのもの。
町では今、アツモリソウを守り育てていく活動に取り組んでいます。
レブンアツモリソウを守るために
①種のふしぎ
1つのアツモリソウの果実からは数千から数万粒の種が取れます。この種は大変小さく軽いため風に飛ばされて成育範囲を広げると考えられています。
レブンアツモリソウを守るために
②播種
オートミールと寒天で作った培地に種をまいたところです。この後、冷蔵庫で3か月間保存し、疑似的に冬を経験させる作業を行います。
レブンアツモリソウを守るために
③発芽のふしぎ
冷蔵で保存した後、特殊な菌(共生菌)と接触させて発芽を促します。
レブンアツモリソウを守るために
④発芽から成長
共生菌から得た栄養により種が発芽し、幼植物体(プロトコーム)が形成された後、できたプロトコームを栄養豊富な培地に移して成長を促進させます。
根の成長が進み芽も分化し始めています。
レブンアツモリソウを守るために
⑤自然界への順応
広い場所に植えなおして成長を進めます。
種をまいてからこのサイズになるまで1年半から2年かかり、いよいよ鉢上げとなりますが、鉢上げの前に冷蔵庫で3か月保存し再び冬を経験させます。
レブンアツモリソウを守るために
⑥鉢上げ
冷蔵庫で疑似的に冬を経験させた後、余計な寒天培地を洗い流していよいよ鉢上げの準備完了です。
レブンアツモリソウを守るために
⑦自然界での成長
ポットに鉢上げ後は育成畑で管理し、更に成長させてから畑に植え戻します。
レブンアツモリソウを守るために
⑧成長と開花
園内で咲いたレブンアツモリソウです。畑に植え戻してから5~6年で花が咲き始めます。
礼文島のシンボルともいえる「レブンアツモリソウ」は、その特異な生活史に加え、厳しい島の自然環境や人の生活や暮らしの中で減少し現在は絶滅危惧種に指定されています。
礼文町では高山植物培養センターを建設し「レブンアツモリソウ」をはじめとする島の貴重な花々を守り育てる活動に取組む一方、この活動を支えるための「礼文島リボンプロジェクト」を展開することにより取り組みの安定的な推進を図っています。
写真は珍しい「双子のアツモリソウ」です。
レブンアツモリソウを見に行こう!
レブンアツモリソウは礼文島の北側にある「レブンアツモリソウ群生地」で見ることができます。
群生地は「岬めぐりコース」の途中にあるのでトレッキングと一緒に楽しもう!
〇岬めぐりコースを楽しみながら
香深港フェリーターミナル ⇔(約60分)⇔ スコトンバス停下車 ⇔(徒歩約280分)⇔レブンアツモリソウ群生地
〇 路線バスを利用して
香深港フェリーターミナル ⇔(約50分)⇔ 浜中バス停下車 ⇔(徒歩約20分)⇔レブンアツモリソウ群生地
〇レンタカーを利用して
香深港フェリーターミナル ⇔(約40分)⇔ レブンアツモリソウ群生地
※会場は無料駐車場有(10台)
アツモリ感謝祭にもぜひ足を運んでみよう!
礼文島のマスコットキャラクターの「あつもん」を知っていますか?
礼文島に住む人達と礼文島を訪れる人たちが大好きな、レブンアツモリソウをモチーフにした妖精「あつもん」
可愛いフォルムやくりくりおめめに癒される「あつもん」グッツをぜひ探してみよう!