初心者OK!高山植物を愛でる礼文島山さんぽ
別名「花の浮島」と呼ばれ、約300種もの高山植物が咲き乱れる礼文島。島内には7つのトレッキングコースがあり、初心者から上級者までレベルに応じたトレッキングが楽しめます。手つかずの奇跡の自然が今も残る、風光明媚な花の島を歩いてみましょう!
山さんぽで礼文島の魅力をたっぷり満喫
本州では2,000m級の高山でしか見られない希少な植物が、海抜0mの海岸から見られる花の楽園、礼文島。中でも島のランドマーク「桃岩」の周辺には、5~9月にかけてレブンソウ、レブンキンバイソウ、レブンウスユキソウなど礼文島固有種をはじめとするたくさんの高山植物が咲き誇り、可憐な花畑は「礼文島桃岩一帯の高山植物群落」として国の文化財(天然記念物)に指定されています。
そんな礼文島の魅力を満喫するなら山さんぽがおすすめ! 島を縦断するように7つのトレッキングコースが整備され、体力やスケジュールに合わせたコースを選ぶことができます。島にはヒグマやヘビなども生息しないので安心。自分の足で歩いてゆっくり礼文の大自然を感じてみませんか?
ここでは、多彩なコースの中から、初心者にもやさしく多様な高山植物の観察と雄大な西海岸を眺める「桃岩展望台コース」を中心にご紹介します。
「桃岩展望台コース」を歩いてみよう!
「桃岩展望台コース」は桃岩登山口から知床まで続く、所要時間約3時間のコース。フェリーターミナルがある香深港から桃岩登山口までは歩いて行くこともできますが、バスやタクシーを利用すると便利。また、桃岩展望台付近には駐車場もあるので、桃岩付近だけの手軽な散策など、色々な楽しみ方ができるのも魅力です。整備された遊歩道を歩きますが時間によっては露で滑るので、知床までの山さんぽはレッキングシューズを履くことをおすすめします。
コース内は景勝ポイントもたくさん。丘陵の尾根に沿った歩道からは、思わず息をのむほどの青い海と断崖の続く礼文島西海岸の大パノラマが広がります。そして、足元に咲き乱れる一面のお花畑の美しさは圧巻の一言! ここは通称「フラワーロード」とも呼ばれ、島内に咲くほとんどの高山植物を見ることができます。可憐な花々を愛でながら、礼文島の魅力が詰まったコースを歩いてみてください。
桃岩展望台コースの見どころをチェック!
桃岩展望台コースでは季節ごとに移り変わる高山植物が楽しめるほか、礼文島を代表する人気スポットが多く、見どころ満載。海の向こうに雄大な利尻富士を臨む絶景ロードで、思わずため息の出るような美しい風景に出会えます。中でも絶対外せないビューポイントは要チェック!
- 桃岩
- 高さ約250mの巨大な奇岩はこのコースのランドマーク。間近で見るとその大きさに圧倒されます。海岸から見上げると頂上が尖っていて、まるで桃の実のよう!
- キンバイの谷
- コース中央部に位置する緩やかな谷間。6月には礼文島固有種・レブンキンバイソウの鮮やかな黄色い花畑が一面に広がり、何とも言えぬ美しさです。
- ツバメ山
- コース随一の絶景ポイント。山頂付近からは360度の大パノラマを一望できます。息をのむような絶景に、思わず時間を忘れてしまいそう。風の強い日は帽子が飛ばされないように注意が必要ですが、島の風を思いっきり感じてみてください。
- 元地灯台(もとちとうだい)
- 標高200mの断崖に立つ、白と黒のツートーンカラーが珍しい灯台。吸い込まれるような青い海と、その向こうに浮かぶ利尻富士とのツーショットも見逃せません。
下山後は温泉で疲れを癒そう
山さんぽを満喫したあとは、温泉で疲れた身体を癒しませんか?
フェリーターミナルからほど近い「礼文島温泉 うすゆきの湯」は源泉かけ流しの天然温泉。肌にやさしい透明な湯は、体の芯から温まり、湯上りもポカポカ。浴室にはジャグジーやサウナもあり、天気が良ければ内風呂や露天風呂から利尻富士が望めます。雄大な利尻富士を眺めながら浸かる温泉は格別!ゆったりと足を伸ばして旅の疲れをリセットしましょう。
トレッキングをより一層楽しめる花ガイド
たくさんの高山植物が生息している礼文島でトレッキングをとことん楽しむなら、「花ガイド」を利用するのがおすすめ。植物に精通したプロのガイドがコースを案内してくれます。当日の天候や開花状況に応じてベストなコースを案内してもらえるので、素敵な思い出になること間違いなし! プライベートツアーにも対応してもらえます。ガイドと一緒に歩けば、島の中でもレアなお花を見つけられるかもしれません!
また、花の名前を自分で探してみたいという方には「礼文島高山植物図鑑」がおすすめ。季節や花の色で花の名前を調べることができます。
どんな服装・装備が必要?
桃岩展望台コースは初心者でも気軽に挑戦できるコースですが、楽しい山さんぽをするためにも服装や装備を整えてからでかけましょう。
礼文島は真夏でも涼しく、風が強い日は気温よりさらに寒く感じることがあります。動きやすく寒暖差に対応できる服装に加え、帽子は風で飛ばされないよう、あご紐やクリップの付いたものがおすすめです。
また、山の天気は変わりやすく、突然の雨や濃霧になることも珍しくありません。天気予報をご確認の上、雨の日はレインウェアも忘れずに!
コース内には売店や自動販売機が無いので、飲み物も忘れずに準備しましょう。事前にトイレの場所を確認しておくことも大切です。
出発前の準備をしっかり行い、安全な山さんぽで礼文島の大自然を満喫しましょう!
※島内にレンタルショップはありません。
※難易度の高いコースはトレッキングシューズ・服装など十分な装備が必要です。
礼文島の魅力を満喫する全7つのコース
初心者でも手軽に楽しめるルートから万全な装備を必要とする上級者向きルートまで、個性豊かな7つのトレッキングコースが整備された礼文島。島を歩けば、この島が何故多くの人に愛されているのか、その理由がきっとわかります。ゆっくり歩いて、可憐に咲く花々を愛でながら絶景に感動しましょう。
- 桃岩展望台コース
- 桃岩登山口から知床へ続く、約5.7kmの桃岩展望台コース。礼文島西海岸や海に浮かぶ利尻富士を眺めながら、高山植物のお花畑を満喫することができる、礼文島を代表するコースです。
- 礼文林道コース
- 元地側入口から香深井までの全長約8.2km、所要時間約3時間のコース。6月から8月にかけて、美しいレブンウスユキソウの群生を楽しむことができます。
- 岬めぐりコース
- 礼文島の最北端スコトン岬からゴロタ岬、澄海岬を抜け浜中へ続く全長約12.4km、所要時間約5時間20分のコース。 礼文島西海岸の眺望や、6月初旬にはレブンアツモリソウの群生を堪能できます。
- 8時間コース
- 礼文島西海岸を南北に縦断する全長約16.5kmの島内最長コース。変化に富んだコースは雄大な景色や感動が味わえます。難易度が高いため十分な体力と装備が必要です。
- 礼文岳コース
- 高山植物を楽しみながら、礼文岳の山頂を目指す片道約4.5kmのコース。標高490mの山頂からは360度パノラマの絶景を楽しむことができます。
- 礼文滝コース
- 礼文林道から礼文滝へ下りていく片道約2kmのコース。コース両脇の斜面に広がるお花畑と雄大な景色はまるで外国のようです。
- 久種湖畔コース
- 日本最北の湖・久種湖を周回する約4.2kmのコース。礼文島では珍しい湿地帯の植物や渡り鳥を観察できるほか、天気の良い日には逆さ礼文岳を見ることができます。
関連資料
ルールを守って山さんぽを満喫しよう
礼文島の美しい自然を次世代に引き継ぐため、ルールとマナーを守って散策しましょう。
・事前に情報を集め、自分の技術と体力に合った計画を立てましょう。
・植生を傷めないよう、歩道がぬかるんでいる時は無理して歩かないようにしましょう。
・植物の踏み付けや事故を防止するため、コースの外に踏み込まないようにしてください。
・植物を採ったり、傷つけたりしないようにしてください。
・礼文島の貴重な植物を外来種から守るため、歩く前には靴底の土を落とすなど、外来種を持ち込まないようご協力ください。
・キャンプは決められた場所で行ってください。
・利用者の中には動物が苦手な方やアレルギーの方もいます。ペットを連れての自然歩道の利用はご遠慮ください。