自転車好きなら一度は行きたい、利尻島サイクリング
利尻島は、多くのサイクリストに愛される全国屈指のサイクリングスポット。美しい海と秀峰・利尻山を眺めながら、離島ならではの魅力を満喫することができます。
初心者から上級者まで楽しめるコースが複数ありますが、その中でも周囲約60kmの島を一周するコースは特に絶景続き! 自転車好きはもちろん、初心者でもぜひ挑戦してみたいコースです。
サイクリスト必見!利尻島の魅力
日本百名山にも数えられる秀峰・利尻山を中心に、まるい形をした利尻島。青い海にぐるりと囲まれた離島ならではの絶景はもちろん、全国的にも有名な「利尻昆布」干しの様子や天候・時間によって姿を変える利尻山など、利尻島でしか出会えない景色も魅力的です。観光のベストシーズンは6月~9月頃。ウニや昆布が旬を迎え、高山植物が花開き、多くの人々が島を訪れます。
そんな利尻島は、周囲約60kmの小さな島です。車だと2時間程度で回れてしまいますが、島を隅々まで堪能するならサイクリングがベスト!全長24.9kmの自転車専用道路も整備されており、絶景を求めて全国のサイクリストが集います。
3つのコースと絶景サイクリングロード
自転車で島を回るなら、おすすめのコースは3つ!
1つ目は「利尻・彩くるロード」。周囲約60kmの島を一周することができ、体力に自身のある人におすすめです。中央にそびえる利尻山を眺めながら、ぐるりと名所を回れます。
2つ目は初心者、ファミリー向けの「利尻富士グリーンライン」。サイクリングロードと鴛泊の町並みを楽しめる初心者コースで、体力に自信がない人でも気軽に楽しめます。小さいお子さんと一緒でもOK!
そして最後は「利尻島絶景ブルーライン」。海岸沿い+サイクリングロードを走る良いとこどりの中級者コースで、利尻島をのんびり観光したい人におすすめです。
サイクリングの際は、事前にサイクリングマップをゲットしておくと便利!おすすめ立ち寄りスポットの他、空気入れ設置場所などのお役立ち情報も記載されているので、安全・快適にサイクリングを楽しむことができますよ。
目指せ島一周!「利尻・彩くるロード」を走ってみよう
3つのサイクリングコースのうち、最もおすすめなのが「利尻・彩くるロード」。体力に自信のある人向けですが、1日かけて島の魅力を余すことなく堪能できるコースです。
島内最大の集落・鴛泊でレンタサイクルを調達したら、いざ出発! 時計周りと反時計回り、どちらでも大丈夫ですが、ランチの時間を過ぎると夜まで閉まってしまう飲食店が多いため、お昼に集落を通れる時計回りがおすすめです。また、時計回りだとラストに西側の海岸を通るので、ロマンチックな夕日が見られるかもしれません。
鴛泊を出発してサイクリングロードを進んでいく途中にある「湾内大橋」からの眺めは必見。地上約60mの橋上からは鴛泊港や利尻山、天気が良ければお隣の礼文島まで一望できます。出発してすぐにコース最大の上り坂となりますが、この景色は一見の価値あり!
道に落ちたウニの殻の謎
利尻島を走っていると、道路に落ちたウニの殻を見かけることがあります。海の生き物がなぜ道路に?と疑問に思いますが、これは鳥たちがウニを食べた痕跡なのです。賢いカラスやカモメは、ウニを高い所から落として割ると美味しい身を食べられることを知っています。美食家ですね。
こういった利尻島ならではの風景を探してみると、より一層楽しめますよ。
原生林に囲まれた、美しい姫沼
スタートから7kmほど進むと、最初のビューポイント姫沼に到着。サイクリングロードからは少し逸れますが、寄り道してでも訪れたい利尻島の人気スポットです。
小高い丘と原生林に囲まれてひっそりと水をたたえる姫沼は、サイクリングのリフレッシュに最適。天候等の条件に恵まれれば湖面に映る逆さ利尻山も見られます。周囲は約800mの散策路が整備されているので、森の中を深呼吸しながら、ゆっくりと散策してみてはいかがでしょうか。
甘味を求めて鬼脇地区へ
サイクリングロードを出て海岸線に沿って走っていくと、島南部の集落「鬼脇」へ到着。ここではぜひ、「長生堂寺嶋菓子舗(ちょうせいどうてらしまかしほ)」へ立ち寄りを!
明治時代に創業したこのお店は、歴史ある老舗店。あっさりとした甘さの白餡が詰まった「利尻最中」、マカロン生地のお菓子「利尻島」など和洋問わずスイーツを作り続けています。
中でも1番人気の商品は「利尻プリン」。メープル、ゴマ、くまざさ味の3種類ありますが、迷ったらぜひ「くまざさ味」を。少しざらざらした感触と抹茶のような風味がマッチしたイチオシ商品です。
サイクリングの小休憩にいかがでしょうか。
島内最大の湖沼「オタトマリ沼」で絶景&グルメハント!
アカエゾマツの原生林に囲まれたオタトマリ沼は、利尻島を代表する景観のひとつ。シーズン中は観光バスも訪れ、多くの人で賑わいます。ここから見る利尻山は急勾配の尾根が連なり、さながらアルプスのような美しさ。湖面に映った姿と合わせて、島で1番利尻山が美しく見える場所とも言われています。
沼の駐車場には複数の売店や飲食店が並び、島グルメやお土産を購入することができます。その中のひとつ「利尻亀一」では、エゾバフンウニとキタムラサキウニの食べ比べが可能! ランチにはぜひ、島で採れる2種類のウニを食べ比べて自分の好みを見つけてみては? もちろん他のメニューも絶品揃い。ホタテといくら、ウニの三食丼もおすすめです。
※ウニは漁の状況や数量により提供できない場合がございます。
寄り道にぴったり。人気スポットをチェック
オタトマリ沼からは島の外周道路「利尻ファンタスティックロード」を走って先に進みます。ひたすら自転車で進んでいくのも気持ち良いですが、ぜひ途中の観光スポットに立ち寄りながら島を満喫してみてください。
- 仙法志御崎公園(せんほうしみさきこうえん)
- 島でも特に透明度の高い海と雄々しい利尻山を望める島の最南端。溶岩流が固まってできたゴツゴツした奇岩・奇石が並び、ダイナミックな海岸線が美しい景勝地です。夏場はアザラシが飼育されており、餌やり体験も楽しめます。
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- 麗峰湧水(れいほうゆうすい)
- 利尻山に降った雨水や雪解け水が、自然のろ過装置とも言える山を通って湧きだした、ミネラル豊富な天然水です。道路沿いにありアクセスも良いため、地元の人も利用しています。持ち帰り自由なので、ペットボトルに詰め替えてサイクリングの水分補給にぜひ!
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- 北のいつくしま弁天宮
- インスタ映えする写真を撮るならここ!青い海に朱色の祠が美しい「北のいつくしま弁天宮」は、嵐にあった船乗りが、助けてくれた弁天様に感謝して建立したと伝わる弁天宮です。鳥居をくぐると小さな橋が海に浮かぶ岩に向かって架かっており、岩の上に弁天様を祀る祠が建立されています。
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- 人面岩
- 西海岸沿いの岩場を見渡すと、ひょっこり顔を出す「人面岩」が見つかります。丸い形をした人面岩は、まるでハチマキを巻いた男性の横顔のよう。おでこ、鼻、顎のシルエットが、青い海をバックに際立ちます。
- 寝熊の岩
- 北のいつくしま弁天宮の近くにある、不思議な形をした「寝熊の岩」。一見ただの岩のようにも見えますが、見る角度を変えてみると、あら不思議。大きな熊が海に向かって寝そべっているようです。
- 島の駅利尻
- 沓形地区にある「島の駅利尻」は、築130年以上の歴史がある建物を利用したギャラリー&カフェ。一休みにぴったりな建物手前のカフェ「自休自足 りしりに恋し店」では、アツアツの石焼き器でこだわりのチーズカレーやトマトリゾットをいただけます。
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どこまでも続くサイクリングロードを独り占め!夕日と共にゴールを目指す
沓形の街から、再びサイクリングロードへ。
綺麗に舗装されたサイクリングロードでは、一面に広がる笹原が風に吹かれて波のようにそよぎ、利尻山が山肌までくっきりと眺められます。西海岸に出たらラストスパート! 地平線に沈んでいく夕日との追いかけっこです。
時間が合えば「夕日ケ丘展望台」で休憩しながらゆっくりと夕日を眺めるのもおすすめ。自転車を置き展望台へ登っていくと、切り立つ断崖と大海原が目に飛び込んできます。その名の通り夕日のビュースポットとして人気の展望台からは、鴛泊の町や礼文島まで海側も山側も360度のパノラマビューを楽しめます。
展望台を過ぎればゴールの鴛泊港はすぐそこ。レンタサイクルを返却し、お宿や温泉でゆっくり身体を休めましょう!
島一周は初心者でも挑戦可能?
「利尻・彩くるロード」は比較的大きな起伏が少なく、初心者でも挑戦しやすいコースです。平均7~8時間かかりますが、自信がない場合やゆっくり観光したい場合は多めに見積もっておくと安心。日が沈む前に帰るためには、遅くとも朝9時までに出発しましょう。
島内では電動自転車、変速付き自転車の貸し出しを行っているお店もあります。クロスバイクを借りる場合は、できるだけサドルがふかふかのものを選ぶと快適ですよ。
途中リタイアの場合自転車持ち込み可の路線バスもありますが、本数は少ないため、自分の体力と相談し無理のない範囲で楽しみましょう。
鴛泊でレンタサイクルを借りるなら「雪国レンタル」
利尻島サイクリングでは、島へ到着後レンタサイクルを利用するのが便利です。宿泊者限定で貸し出してくれる宿もありますが、鴛泊でレンタルサービスを利用するなら「雪国レンタル」へ。鴛泊で観光客向けにレンタルサービスを行っている唯一のお店です。
「利尻島一周ふれあいサイクリング」に参加しよう!
8月下旬に開催される「利尻島一周ふれあいサイクリング」は、全国からサイクリング愛好家が集まり盛り上がる一大イベント!参加者全員で「利尻・彩くるロード」を走り、島一周に挑戦します。レースではないので、自分のペースで楽しめるのも魅力です。
前日には前夜祭も行われ、大勢の参加者と交流が可能。イベントのゴールは島の名湯として親しまれる「利尻富士温泉」。出会った仲間と疲れた身体を癒しましょう。
参加者はフェリーの自転車航送料金が片道無料になるという特典も。このイベントに魅了されリピーターになる人も多く、「利尻島サイクリングに興味はあるけど一歩踏み出せない…」という方には特におすすすめのイベントです。